何で病気になるのか?

私は常日頃、自然治癒力とか免疫力、要するに体力や生命力が、病気や症状を治すといっているのですが、原点に戻って、なぜ、人は病気になるのかということの自分なりの考えを説明したいと思います。

●感染症…ウイルスなどの悪性微生物に因るもの

●悪性腫瘍…癌のことです。これは細胞が突然変異を起こし、他の正常に機能している細胞との連携を絶ち、無制限に増殖していくものです。直接的には、細胞の突然変異が原因ですが、突然変異の原因は様々な説があり、これだけが原因だと科学的に証明されたものはありませんが、疫学的検査によると、喫煙や様々な化学物質の摂取、精神的ストレスなどが引き金になるといわれています。

●職業または環境に起因するもの…例としては、アスベストを一定量以上吸い込むと、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫、さらには肺がんを引き起こすことは、ほぼ実証され認められています。それ以外の粉塵を吸い込んでも、気管支をはじめとして、様々な健康被害が起こることもよく知られている事実といえます。

●薬剤に起因するもの…例としては、血液製剤が原因のHIV(エイズ)や肝炎などは、薬害として問題になっていることは、ご存知と思います。

●放射線や電磁波に起因するもの…あまり一般的ではないと思うでしょうが、2011年3月に大事故を起こした福島第一原発から、大量の放射性物質に、福島県を中心に広範囲に汚染されました。日本では、世界で始めて原爆が投下され、それによる、様々な健康障害や病気を引き起こした歴史的経緯があります。

放射性物質によっては、毒性が無くなるまで何万年もかかるものがあります。なので、現在でも、食品などを通じての体内汚染の危険はあると言えますし、原発がある限り、その廃棄物処理も含めて、新たな放射能汚染の危険があるといえます。

●心理的要因…心身への過剰なストレスが原因です。

●生活習慣に因るもの…運動不足、カロリーの過剰摂取、化学的食品添加物(インスタント加工食品など)の過剰摂取、睡眠不足などの、健康維持に悪い影響を及ぼす生活習慣全般が原因です。

●先天性のもの…生まれつき障害がある場合ですね。

このように、病気になる「原因」は様々です。根本的には「病気を治す」のは、自己の自然治癒力(生命力)ですが、病気になるのは、すべて個人の責任ということはできないし、病気治療をすべて個人レベルで行うこと(解決すること)は、無理というものです。

上記のような原因を除去すること。原因となる環境や状況から離れること、薬害などの人為的、政策的なミスが原因となっているものなら、責任追及と原因の分析を通じて、(故意による)ミスが起こらないように、制度や法律を改めることも必要です。

自己の心がけ、行動や習慣を変えることも、もちろん必要ですが、社会全体としてみた場合(自分や家族だけでなく、世の中全体として、より健康的な暮らし方を実現するためにという意味です)、今までの生活習慣や働き方、さらには人生の目的や価値観などの変革なしには、達成は難しいというのが現実だと思います。

過剰な清潔志向は病を招く

清潔にすれば、病気感染が防げると思っている人は多いと思います。それは常識にまでなっています。

不衛生が原因で疫病が蔓延した時代があったのは確かです。衛生観念が普及すると共に、伝染病などの感染が減っていったとも信じられています。確かにそれも伝染病などで死ぬ人が激減した原因の一つでしょう。

それと同時に、食生活が改善され栄養状態が良くなったことも、伝染病での死者を減らし寿命を延ばすことにつながりました。細菌やウイルスが病気を引き起こすと信じられていますが、それは病気の原因の一面でしかありません。

どんなに病原菌にさらされたとしても、病気にかからない人はいます。実験動物のマウスに病原菌を注射などで注入するようなことまでしても、病気に罹らない個体はいます。
だから、病原菌があれば必ず病気に罹るわけではありません。自己回復力が衰えているというような罹る側の条件と病原菌の影響が一致したときにはじめて発病するのです。

そもそも人や動物の体内には多種類かつ大量の細菌が住み着いています。それら細菌の働きによって、我々は命を維持できているとも言えます。

それは体内に限りません。皮膚表面にも、無数で多種類の細菌が住み着いているのです。
我々は細菌に体内外ともに囲まれるようにして生きているというのが実態なのです。それを無理に排除したりすれば、体調が良くなるどころが悪くなるでしょう。

たとえば石鹸で手を洗うことは奨励されていますが、さらに過剰に清潔にしようと除菌効果のある石鹸やアルコールなどで手を頻繁に洗うようなことをすれば、手は荒れてきます。

なぜかといえば、ひとつには、皮膚表面の脂質を洗い流すためにカサカサになるためです。
それ以上に決定的に皮膚を傷める原因になるのは、皮膚表面に住み着いている細菌を駆除することで空気中や手が接触する物に付着している細菌が、新たに手の皮膚に移って繁殖するためです。元々皮膚に住み着いている細菌は、外部からの悪い細菌が付着して繁殖するのを防いでいるのです。

切り傷を負ったら消毒して乾かしたほうが化膿せず早く傷が塞がると信じている人はまだ多いと思います。でも、本当は、傷は汚れていたら水で流して乾燥させないようにラップなどを貼っておくほうが早く治るのです。消毒などしては、かえって治りは遅くなります。

抗生物質も同様です。必要な場面で必要最小限使うことは有効ですが、使いすぎると体内の有益な細菌まで殺してしまうので、抵抗力は衰えてしまいます。細菌も生きており、抗生物質などの(細菌にとっては)毒に晒されているうちに、それに対抗するような変化を起こした抗生物質への耐性菌が生まれてくるのです。抗生物質を使いすぎたために、今ではどんな種類の抗生物質も効かない細菌が生まれてきています。

生命は異種間であろうと共生しています。人と人が仲良くすることが善であることは一般に受け入れられていると思いますが、人間同士だけが共生しているわけではないのです。輪廻転生や前世の記憶を持ち出すまでもなく、生命は循環しています。他の生物を殺し体内に摂取することで、我々動物は生きているのです。

それは肉食動物に限りません。完全に菜食だとしても、植物の細胞を摂取して(殺して)消化吸収することで自らの命をつないでいるのです。さらに植物は、大地から栄養分を摂取して、太陽光線などを触媒として自分の細胞に変えて成長していきます。だから無機物と有機物、生物もリンクしているのです。

過剰な清潔志向は、それら命と命、大地と命とのリンクを断ち切る所業です。それは生命の存在基盤の原理に反することなのです。

そんな方法論で、生物である我々人間が強くなり健康になるはずがありません。むしろ病気に弱く、生命力が乏しい、ひ弱な人間を作り出すことになります。

完全に無菌状態で生活するのは不可能です。体内にも細菌が住み着いているということもあります。それらも含めて我々はようやく生きることができているのです。

インフルエンザなども同様です。感染することで免疫ができるのです。予防接種はいわば人工的に病原菌を注入し免疫を作ることですが、安全性や確実性では、自然に感染し治って獲得した免疫力に劣るといわれています。ただ、殺菌するのではなく、感染することで体力を強くするという方法論は生命の論理に適っているといえるでしょう。

自分と異質のものもある程度取り入れることで、適応力が増し、生きる力が強くなるのです。
あまりに神経質に過剰に清潔を保とうとしたり、自分のスタイルや考え方、価値観と違うものを排除してばかりいると、生きる世界が狭くなり、やがては体力だけでなく、自分自身の精神力や精神世界が狭くなり衰えてくると思います。

整体も今の医療とは異質です。異質ですが、確実に症状解消に効果があるから、100%自費でも通院していただけるのです。免疫力(自然治癒力)を高めて、体が自力で回復するのを助けるという施術方法は、自然に摂理に叶っていると思います。