映画の感想…『ロンリエスト・プラネット 』

ロンリエスト・プラネット 孤独な惑星
(監督ジュリア・ロクテフ/ガエル・ガルシア・ベルナル 出演)

リアルなサスペンス映画が好きで、ガルシア・ベルナルも好きなので、観てみた。

サスペンスと思って観たので、劇的な出来事を期待したが、裏切られた。

グルジアの山岳地帯でアメリカ人の若いカップルが現地人ガイドを雇って歩く様子をひたすら描写していた。

唯一の出来事は、現地人の老人と子供2人と遭遇したとき、理由はわからないが少年が騒ぎ出し、老人がアメリカ人の青年にライフルを突きつけたことだけだ。

アメリカ人青年は、とっさに自己防衛の行動をとった。それがカップルの関係に溝を作る結果につながるとは思いもせずに。それ以降、彼らの雰囲気は一変した。じゃれあうような親しい雰囲気が冷たく硬いものに変わってしまったのだ。

たったこれだけの出来事だが、彼らの関係の本質に関わることが、計らずも露呈してしまったのだ。

この映画には、劇的な物語は何もない。
唯一、ガイドの中年男が、戦争で友人を沢山失った話をしたこと、妻と子を交通事故で失ったことを、アメリカ人カップルの女性のほうに語ったことが、物語と言えないこともないが…。

たぶん、人生に物語はない。
ガイドが語ったように、自分の身に起きた出来事を、自分の頭の中で整理し組み立てて物語を作っているのだ。

人生の本質は、アメリカ人カップルが遭遇して、二人の関係が静かにしかし劇的に変わったように、出来事の積み重ねに過ぎないのだろう。それをどう解釈し意味づけするかは、個々人の問題だ。

その意味で、この映画はとてもリアルだった。物語は無いが、映画のシーンに惹きこまれた。出来事に何の解釈も説明も加えてないから、リアルに感じたのだろう。実際にその場にいるかのように。

院長紹介

2015-08-11映画・ドラマ

Posted by desk@toiee.jp