想像力の大切さ

自分が体験してないことは、他人事なのだと感じることがあります。

原爆投下についてのドキュメントを観たときにもそれを感じました。投下した爆撃機の乗組員でも、自らが被爆の被害に遭ってない元兵士の大部分は、 広島、長崎で数十万人もの一般市民を一瞬に殺したというのに、罪の意識、後悔の念すら持ってなかったことに驚きました。

「あれで、戦争は早く終結した。多くの人が原爆投下で救われたのだ」

これは、核兵器の被害を知らない多くのアメリカ人の価値観です。以前、知り合いの米国人とこの話題に触れたときに、彼女が同じことを言い放ったので、「一般市民への攻撃、虐殺は、戦争犯罪だ」と言ったら、逆上されたことがありました。

東京の街並が戦後できた新しいもので、歴史的景観が失われているのは、アメリカが日本の主要都市を爆撃し破壊したからだとも言ったら、「それは関東大震災で破壊されたので、アメリカのせいとは言えない」と強く反論されました。関東大震災は、大正時代のことです。それ以後、新たな町が建設されました。今より日本的な歴史を感じさせる街並だったはずです。震災でも破壊されずに残っていた街並も当然ありましたし。

彼女は知的で良識のあるごく普通のアメリカ人なのですが、日本に対する加害意識は無いようでした。自分の祖国が無実な一般市民を殺すはずはないと信じているのでしょう。

原爆投下のドキュメンタリーによれば、核爆発の実験に立会いさせられて被爆した軍人で、癌や白血病などで苦しんだ人たちは、原爆投下は間違いだった。すべきでなかったと言うことが多いとのことです。

これは、米国人に限ったことでないことは、言うまでもありません。

日本にも貧困問題があります。この十数年で低所得者が増大し、自殺者が3万人を切ったことがないほど、追い詰められている人たちが増えているのです。

と言っても、過去現在ともそういう体験と全く無縁の人や、生活に困窮したことのない人にとっては、別世界の出来事で、全ては「自己責任」と上から言われれば そう思ってしまうのでしょう。

病気についても同様です。 大病したことのない人、生まれつき健康でそれが維持できている人は、 病気の人の辛さがわからないことが多いのです。 医療費の自己負担分が多くなってきて、 それが生計を圧迫して困っている人が増えていると聞いても、国民皆保険だからそんなことはないと、政府の言うことを鵜呑みにしてしまうのです。

ちなにみにイギリス、フランス、ドイツ、スゥエーデンなど、多くの欧州の国は、医療費は完全に無料です。教育費も無料の国が多いです。アメリカはその真逆です。米国在住の日本人の話では、医療費がとても高く、民間保険に加入していても、適用にならないケースや疾病が少なくないので、大怪我や大病をすると破産状態になる人も珍しくないということです。

アトピーなどの近年増えてきた慢性症状もそうですが、命に関わらないような症状や病気の場合は特に、本人の辛さ、不自由さが伝われらないことが多いようです。

自分さえ良ければ、困った人がいても、しょせんは他人事という感覚は、自分にもあるからわかります。その人の困窮は全て自己責任なのだから、自分でどうにかするしかないという考え方です。

しかし、それだと、いざ、自分が困った状況に陥ったときにも、他人の助けなど期待できなくなるのです。

これでは、共同体、社会は成り立ちません。しかし、このような価値観の基で政策を推し進めているのが、ここ20年ほどの日本政府と最近の経営者(特に大企業の)なのです。

表面的にはそれほど問題はないようにも見えるかも知れませんが、日本は今、足元から崩れつつあるように感じています。

体験しないものは他人事という感覚のままでは、影響が自己に及ぶまでは、問題を放置することになるでしょう。

思いやりは想像力を基盤とします。想像力の欠如した状態では、殺伐とした社会が出現するのは必至です。

目の前の具体的な出来事だけに囚われず、自分と直接関係ないように見える他者や社会、そして海外のいろんな状況とそこにいる人びとの生活や心情に、もう少し想像力を働かせることができたら、世界は今よりもっと生きやすく暮らしやすく平和になると言ったら、期待し過ぎかも知れませんが、少しはそう思っています。


………………………………………………………………………………………………………..
整体なら川越の…ヒロ自然療法院で体調不良解消!
■Tel/049-223-2017
■所在地:埼玉県川越市末広町3-10-2ファミール末広201
……………………………………………………………………………………………………….

世界観・人生観

Posted by 小林昌弘