施術で大切なこと

所属している手技療法(身体均整師会)の研修会には、都合がつく限り参加するようにしています。

脊椎の側面にある硬結(かたまり)が左右どちらにあるの観察によって、施術側(右か左か)が決まるという施術の法則のようなものがあるのですが、他のベテランの先生(身体均整師)と診立てが違うことがあります。

違っていたとしても、自分の観察結果に基づいて施術するしかないので、練習でもその通りにしました。自分の診立てで調整した結果は、椎骨側面の硬結は和らぎ、背骨の捻れも解消したので、結果的には自分の診立てで良かったと確信は持てましが。でも、多少、疑問は残りました。ベテランの先生の診立て通りに調整したら、結果はどうなっていのだろうか?自分の診立てによる調整より、さらに効果が高かったのではないか?という疑問です。

施術家(手技療法家)によって、正しい観察(診立て)は一つだけだという人もいるし、施術側の意識や考えがクライアントに影響するので、人によって診立てが違うのは自然だという人もいます。科学(現代医学)的には、観察結果が人によって違ってたら、どちらかが間違っているということです。

しかし、量子力学では、原子や分子、電子、素粒子などの微視的世界では、粒子の位置と運動量は同時に両方を正確に測定することができませんし(不確定性原理)、原子や電子は、粒子(物質)としての特徴をもつと同時に、波動としての特徴も持っています。これは、観察者の意識が観察結果に反映するということでもあります。

明らかに観察点(正確に該当する椎骨を観察(触診)できてるか?)が違う場合は問題外ですが、硬結の観察は、椎骨そのものが観察対象ではなく、症状に関係のある神経節の状態がどうなっているかの観察ですから、椎骨そのものの位置が正確に合ってるかは、実は、二次的な問題ではあります。

身体均整法では、体の前後左右のバランスを整えることを、最重要課題の一つにしていますが、私の施術方針としては、症状の解消を最優先しています。ですから、仮に身体バランスが完全に整ってなくても、体調が良くなり症状が解消してれば、良しとしているのです。逆は駄目です。バランスが整ったが、症状が消えないというのは。いくら歪みが解消しましたと言っても、症状自体に変化が無かったら、楽になりたくて来院しているクライアントさんは、満足はしません。納得もしないかも知れません。

症状解消を最重要としているから、均整法的には、観察結果が法則と違っていようが実情を優先し、施術しています。法則はあくまで観察の結果の最大公約数的事実(臨床、観察結果)をまとめたものに過ぎないと考えていますし。

体は複雑で個人差が激しいし、一つの症状や歪みでも、原因はいくつもあるから、法則に観察結果が合わない場合は、実情を優先すべきと考えます。法則通りに施術することより、症状解消、体調向上という目的達成のほうが、はるかに重要というか、それなくして施術の価値はないと考えているからです。

最終的には、自分の観察結果を信じて施術するしかないのです。施術しているときに人の助けを求めるわけにはいきませんから。たとえ他のベテランと言われるような先生の観察結果や診立てと違っていたとしても、施術するのは自分だし、その結果を引き受けるのも自分だからです。ただし、未熟さや間違いを肯定するわけでもなく、開き直ってるわけでもありません。

治療(調整、セラピー)の結果は、クライアントとセラピストの関係性の内にしかないのだと思います。誰がやっても手順さえ間違わなければ同じ結果がでる機械修理と、生身の人間の治療は違うということだと思います。使い込んだ、思い入れのある機械は、生身の人間(生命)と似てくるという話もあるようですが…

だからこそ、治療(調整)の技術も大事ですが、クライアントとの関係づくりを怠っては、どんなに技術的に研鑽積んでも、よい結果は望めないと思います。他の誰にも治せない難病が治せれば患者は殺到するでしょうが、そんな天才的セラピストや治療家を基準にしてものを言っても、自分が天才でない以上、意味がないですし。


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2013-12-05施術について

Posted by 小林昌弘